3月14日。りくと君は7歳と2ヶ月になりました。
変化の多かった2ヶ月間の様子、成長と僕たち親が取った行動を書き残します。
私たちが正解なのではなく
後に続く子育て世代が、これを読んでどう対応していくのかを考えてもらうために。
前回お知らせした通り誕生日(1月14日)を前に賃貸マンションから一軒家に引っ越しました。
理由は2つ。
①14年間同じところに住み、だいぶガタが来ていたこと。
②その間に下の階の住民は何回も代わり、その度に(申し訳ない)気持ちが私たち親に根付いてしまったこと。
①は仕方ないとして②は、解決できる感情でした。
僕たちの経験上、こういう子は他人に迷惑をかける行為を【悪い】と思っていないので
外で飛び跳ねるとか自己処理出来るものは良いとして
マンションの他の人の家のドアをガチャガチャ開けようとしたりすると中にいる人は恐怖でしかないと思います。
また、急に大声を出したり、フードコートでは食べたいものが目の前にあれば触ろうとしてしまいます。
想像してください。
片手にうどんを乗せたトレイ。片手で子供と手をつなぎフードコートを練り歩く。
子供は空いている片手で、誰かのハンバーガーを取ろうとしたりするんです。本当に経験したこととして
両手でトレイを運んでいる他人様の腕を引っ張り何を運んでいるのかを見ようとしてました。
「ちょっと、何するんですか?止めてください」
という声を聞き、振り返って我が子のしたことと気づく。子供の手を強く引っ張り、こちらのうどんの汁がこぼれる。
被害を受けた方に謝り、弁償の要否を確認する。
子供がうどんを食べている最中に、汚した床を拭き、周りからは白い目で見られるんです。
【空気が読めない】と一般的には評価されますが、そうではなく善悪が分からず、目の前に美味しそうなのがある。
だから、食べる。それだけなんですよね。
私たちは体裁上、厳しい顔をして子供に言い聞かせますが、大きな声は出しません。
この子は、自分が失敗したことを知っています。
でもADHDの特性も手伝って、一瞬で善悪のタグを外して欲望が勝ります。
りくと君が悪いんじゃなくて、りくと君の抱えてる病気や特性が、りくと君の行動を支配してるだけなのです。
だから、この2ヶ月、冬休みという非日常から、引っ越しで新しい家という耐え難い変化を
受け入れようとしてくれたエライ子供が
どんなに荒れていても、ただ抱きしめて受け入れてあげようと努力しました。
パニック状態では他人の髪の毛を思いっきり引っ張る等、他害するようになり
大好きな先生や療育の時間でも同じように先生たちも悩んでいました。
てぃ先生ではありませんが、一人の療育の先生が「どんな事があっても笑いましょう」
と教えてくれました。
僕たちは痛みに耐えてニコニコしました。どんな痛みか??気になりますか(笑)?
髪の毛が一気に10本以上抜けるんですから皮膚がヒリヒリします。拷問ですよ。
爪でひっかく行為も【火事場の馬鹿力】レベルで全力ですから、ミミズバレです。
妻の長い髪の毛はターゲットになりやすく、寝付きが悪いだけでイライラして急に髪を引っ張ります。
妻は私の名を呼んで、私は、りくとの指を一本一本外していきます。当然全力の闘いですよ。顔だけ笑ってますけど。
あと、シモの話ですが漏れを気にしなくなったのか、マーキングか、そこら中でお漏らしをし始めました。
最初は「新築が・・」とか「昨日ワックスかけたのに」とかくだらない資産価値を気にしていましたが
家を選んだのは子供ではなく親なんです。親が勝手に引っ越して子供に迷惑をかけた。
そう思えたらどうでも良くなりました。
そんなこんなであれから2ヶ月が経ちました。
他害行為はほとんどありません。お漏らしも、ほぼなくなりました。
子ども部屋が大好きになりました。新しいスイングチェアも気に入ってくれました。
慣れるのが通常の人よりも遅いだけなんです。
どうやって自分の感情を処理して良いか見つけるのが下手なだけなんです。
でも、今は受け入れて成長を見せてくれました。
身長は127センチ。体重は27キロ。
ストレス太りと勝手に位置づけていますが(笑)
引っ越したことで、りくとは自分と向き合い、家族と向き合い、他人と向き合い
心が大きく成長しました。
相変わらず話せないし、相変わらず急に感情の変化はあります。
でも、本人が【変わりたい】【成長したい】と思ってくれているので
僕たち親は応援するだけなのです。
常に難しい課題を親に突きつけてくれてありがとう。
僕たちも全力で答えを見つけていくから一緒に成長していこう。
そう思えた、ちょっとセンチな7歳2ヶ月でした。